【GIGA取材】岡山県立岡山操山高等学校の取組(高等学校芸術科(音楽)の実践)

第1学年の芸術科(音楽)の授業において、Googleアプリ「Song Maker」を使用し、コードネームや非和声音を理解してオリジナルのメロディーをつくるという事例を紹介します。このアプリは、パソコンやスマートフォンのブラウザー上で動作するWebアプリで、誰でも無料で利用することができます。楽譜に見立てたマス目に入力することで簡単に曲をつくることができます。また、旋律を演奏する楽器や伴奏する打楽器の音色を選択することができます。実際の授業では、ギターの基本的演奏技術の習得と、コード進行や非和声音などの音楽理論の学習と関わらせ、自己のイメージをもとに8小説の旋律をつくるという活動が行われました。今までは、ギターとキーボードを使った創作を行っていたようですが、このアプリを使用することで、楽器の演奏が苦手な生徒でも主体的に活動することができました。ICTを活用することによる教師のメリットとして、

①今までは5線譜に書かれた作品を1枚1枚めくって評価していたが、「クラウド上に保存」することで出席番号順に自動演奏したものを評価するため、時間の効率化を図ることができた。

②できた作品の共有について、Google Workspaceの「Jamboard」を活用することで、意見交換を短時間で行うことができた。

③授業の振り返りは、「スプレッドシート」を活用することにより、今までと比べて回収率が上がった。提出状況の確認や「振り返りシートを無くした」といったトラブルも無くなった。

④評価についても「Classroom」の「採点」という機能を使い、「生徒の提出物」をクリックすれば、生徒の書き込んでいるシートが一覧表になり、出席番号順に一人ずつ全ての記述を確認することができた。

という成果を伺うことができました。

GIGAスクール構想が進むことで、一人一台の端末整備により個人での活動が多くなることが予想されます。「個別最適な学び」が「孤立した学び」に陥らないよう、「協働的な学び」の場面を設定することが大切です。今回の事例のようにICTを効果的に活用したり、実際につくった作品を聴きあって意見交換したりするなど「個別最適な学び」と「協働的な学び」を往還させることで、思考、判断し、表現する過程を大切にした学習の充実を図ることができるよう授業を構想してください。今後、小・中学校音楽科、高等学校芸術科(音楽)の授業においてもICT活用が急速に変化することが予想されます。上記事例や総合教育センターWebページ「教育の情報化ユニット研修」を参考に実践していただければ幸いです。

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