【GIGA取材】美作市立美作北小学校で6年生理科の公開授業が行われました

 美作市教育委員会では、GIGAスクール構想の実現に向けた公開授業を推進しており、その一環として令和3年4月30日(金)3・4校時に美作市立美作北小学校6年生理科の公開授業が行われました。

美作市立美作北小学校で6年生理科の公開授業を取材しました。


【概要】
 授業は6年生理科、単元「ものが燃えるしくみ」の第6・7時「ものが燃えるときの空気の変化」です。気体検知管を使い、ものが燃える前と後の空気の変化(酸素の割合が減り、二酸化炭素の割合が増える)を測定する、グループ活動での実験を中心とした授業であった。
 授業者は、理科専科で、校内の情報教育も担当し、教育の情報化を中心となって進めている。
 活用していたICT環境は、
  ①1人1台端末(Chromebook)
  ②教師用パソコン
  ③大型提示装置(液晶モニター)
  ④Google Workspace for Education Fundamentals(Classroom、Spreadsheet、Forms)



【教育の情報化の推進に関する活用のポイント】

A 教科指導における活用



1 実験のワークシート等、授業で活用するファイルはすべて、Classroomで共有していた。

・継続して使っているので、児童は教師の簡単な説明ですぐにファイルを開くことができていた。



2 前時を振り返り、児童が予想した本時の実験の結果を、Spreadsheetに入力しクラス内で共有していた。

・短時間に効率的に児童の意見を共有できていた。
・発表者の意見を聞きながら視覚的にも確認できていた。
・共有した予想をもとに本時の学習課題を引き出していた。



3 1人1台端末(Chromebook)を使わないときは、端末を閉じていた。

・活動にメリハリをつけ、児童に今するべきことを示すことにつながる。



4 端末を使って入力したりクラス内で共有したりするデジタルの活動と、板書やノート指導などアナログの活動が意図を持って区別されていた。

・板書とノートの活用は今まで通り指導し、めあてなどをノートを書く時間も十分確保されていた。



5 気体検知管の使い方を教師用端末から大型提示装置に映して、動画を使って説明していた。

・同じ動画を、1度目は教師が説明しながら、2度目は児童が各自で確認をしながら、見ることができていた。



6 実験で得られたデータを、Spreadsheetを使ってリアルタイムに共有していた。

・他のグループの実験結果をすぐに見ることができ、個別の数字に流されることなく、広い視点で実験結果を考察することにつながった。



7 Formsを使って振り返りを行っていた。

・個の活動を意識させ、Formsを使って考えをまとめさせていた。
・Formsに入力した振り返りをSpreadsheetに残すことにより、学びの成果を一覧にして見ることができ、教師の評価に活かすこともできる。


B 学習環境・校務の情報化



8 授業の前にWiFi環境を確認する。

・理科室にはWiFi環境が未整備だが、近隣教室からの電波と、モバイルルーターを組み合わせて、教室内の端末がストレスなく、ネットワークにつながっていた。事前の準備でWiFi環境の確認を行っていた。



9 児童の出欠や健康観察の状況をSpreadsheetで共有している。

・各教室で入力された情報を職員室や校長室でリアルタイムに共有でき、管理職や養護教諭が必要な対応を迅速に行うことができていた。



10 充電ボックスによる端末管理が行われている。

・校内での活用を考慮した端末の管理と充電が行われており、教師の負担軽減と日常的な活用につながっている。
・夜間にタイマーで自動的に順番に充電されるしくみになっている。
・5台単位でかごに入っており、かごでの移動も可能で、1人1台やグループ1台の活用に柔軟に対応できる。



【まとめ】

 美作北小学校では、昨年度の3学期より理科をはじめとして各教科で積極的なICT活用を進めている。授業内で、1人1台端末を使い、Googleの各アプリの共有機能を効果的に活用し、1人1台端末の活用が「主体的な学び」や「対話的な学び」につながるよう意識した授業を行っている。
 活動内容によっては1人1台端末の活用だけでなく、教師が大きく映して説明する従来のICT活用も組み合わせていた。
 キーボード入力が課題となっている児童もおり、今後系統的な指導の必要性を感じているとのことだった。
 公開授業は校内や市内の教員が多く参加していた。今回の授業が好事例として広く次の実践につながっていくものと思われる。

2021/4/30 取材

 - 小学校 理科 校務のDX