【GIGA取材】奈義町教育委員会の取組を取材しました

 

GIGAスクール構想推進に向けた奈義町教育委員会の取組


【概要】
 2幼稚園(中央東・滝川つくし)と奈義小学校、奈義中学校を所管する奈義町教育委員会。小学校・中学校だけではなく、幼稚園も含めた取組が特徴です。町教委がリーダーシップを発揮した基本方針・ロードマップ策定、教職員研修、端末持ち帰り、遠隔授業、積極的な情報発信を中心に紹介します。
  ICT環境の整備状況は、①1人1台端末(Windows)、②Google Workspace for Education Fundamentals、Office365、③AIドリル(小;タブレットドリル、中;eライブラリ)④教材提示装置、⑤デジタル教科書。


【教育の情報化の推進に関する活用のポイント】

A 基本方針・ロードマップの策定


1 【基本方針】

・1人1台端末の整備について、保護者に持ち帰りを前提として通知している。児童生徒には、ノートパソコン活用のルールを策定し、周知している。さらに、家庭での活用を進めるため、充電器やインターネット通信環境の整備も町が助成している。

・授業だけではなく、休み時間や家庭でもドリル教材を使った復習やインターネットでの調べ学習などに活用できるようにしている。


2 【ロードマップ】

・令和3年8月から令和4年4月まで、次の5項目について、ロードマップを策定し、見通しをもった取組を進めている。
①ICT活用指導力向上研修、②教師用タブレット端末等の活用、③児童生徒用タブレットの活用、④保護者・地域への公開等、⑤児童生徒用タブレットの持ち帰りによる家庭での活用。

B 教育委員会からのアプローチ


3 【校種を越えたつながり】

・町教研の「ICT活用推進チーム会」を中心に取組の連携や共通理解を図っている。

・町教委と幼稚園・小学校・中学校がつながるGoogle Classroomを作成し、教職員研修や連絡事項のやりとり等に活用している。


4 【校務の効率化】

・Google Calendarの予約枠機能やGoogle Formsのアンケート機能を使って、町教委と幼稚園・小学校・中学校との会議、学校行事の日程調整を行っている。連絡調整が簡単になり、働き方改革につながっている。

 

C 教職員研修


5 【教職員研修】~授業改善に生かす~

・GIGAスクール構想の概要やイメージから、Googleのさまざまなアプリの体験、さらに、授業におけるICT活用について等、段階的かつニーズに合わせた研修を支援している。

・授業公開には、小学校・中学校とも同じ外部講師を招聘し、授業改善に生かしている。

D 端末持ち帰り


6 【タブレット端末持ち帰り】

・小学校(4年生以上)、中学校(全学年)で、週末と長期休業中に端末の持ち帰りを実施している。児童生徒は、AIドリルや調べ学習等、主体的に活用している。

・セキュリティー対策として、インターネットで検索できるページを選別したり、ウイルス対策をしたりしている。


7 【オンライン登校】

・Google Meetを使い、小学校・中学校とも夏休みの1日をオンライン登校日として実施した。夏休みの思い出や宿題の進み具合、東京五輪などについて話し合った。


8 【遠隔授業】

・次の3つの場合を想定して小学校・中学校とも2学期から何度も遠隔授業を試行している。①臨時休業、学年・学級閉鎖になった場合、②出席停止の児童生徒がいる場合、③教師が在宅勤務になった場合。

E 積極的な情報発信


9 【教育委員会通信】

・町教委の取組を保護者に周知するため、毎月1日、15日に「奈義町教育委員会通信」を発行している。図や写真、Q&Aなど分かりやすい工夫をしている。また、Formsを活用したアンケートも実施している。

・GIGAスクール構想については、基本構想、幼稚園・小学校・中学校での具体的な取組、持ち帰りにおける家庭でのルールづくり等について、タイムリーにお知らせをしている。


【まとめ】

 奈義町教育委員会では、2幼稚園、1小学校、1中学校という規模を強みとして、町として、まとまりのある取組を意欲的に推進しています。学校だけでなく、家庭での端末活用を見越した取組が進んでいます。
 児童生徒には、端末をまさに“文房具”として「とことん、使ってほしい」、教職員には、「分かる・できる授業のために、自分で工夫してICT機器を活用してほしい。そのための支援を積極的にしたい」といった言葉が印象的でした。
  「Facebook」 には、GIGAスクール構想実現に向けた取組はもちろん、生き生きとした姿が随時掲載されています。ぜひご覧ください。

 

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