【GIGA取材】赤磐市立磐梨中学校でのICT活用の実践状況を取材しました

赤磐市立磐梨中学校でのICT活用の実践状況を取材しました


【概要】
 磐梨中学校では「ICTは文房具」を合言葉に、トライ&エラーを繰り返しながら、学習面だけでなく、教育課程の反省や部活動の出欠確認、各種アンケートなど様々な場面でICTを活用しています。
 活用しているICT環境:①1人1台端末(Chromebook)、②Microsoft Office365、③Sky株式会社SKYMENU Cloud、④NTT Communications まなびポケット、⑤スズキ教育ソフト スズキ校務、⑥Zoom等。


【教育の情報化の推進に関する活用のポイント】

A 教科指導における活用


1 【理科】1人1台端末を活用した、調べ学習からプレゼンまでの授業

 1人1台端末を活用して生物の特徴についてインターネットで画像を検索し、調べた内容を基にプレゼンの制作を行った。SKYMENUの発表ノートを活用することで、個人で調べた内容を効率的に班ごとにまとめたり、各班のプレゼンを一覧表示したりすることができる。生徒の学習意欲はとても高く、端末操作が苦手な生徒がいても、進んで教え合うことで互いに高め合う姿が見られた。インターネットでの情報検索では、収集した情報から必要なものを選択する力や正しい情報を見極める力の育成も行っている。

2 【社会】小テストでFormsを活用

 ある社会の授業では、授業の始めにOffice365のFormsを活用した小テストを行っている。自動の採点機能もあり、すぐに解答を確認することで、時間ロスも少ない上に、既習内容の復習を図ることができる。

3 【各教科等】生徒の端末の制御に学習活動ソフトウェアを活用

 学習活動ソフトウェアのSKYMENU Cloudでは、従来のSKYMENU Proと同様に生徒の取組の様子を教師の手元で確認したり、教師の話に集中させたりしたいときには生徒の端末の操作をロックすることができる。これにより、端末での作業に集中しすぎて話を聞き逃すということもなく、円滑に授業を進めることができる。

4 【各教科等】デジタル教科書と教材提示装置で、生徒への指示を的確に行う

 教師用のデジタル教科書や教材提示装置を活用し、生徒に注目させたいことを教室の大型テレビに示すことで、作業内容や方法など、教師からの指示を的確に伝えることができる。従来から行っている方法だが、1人1台端末と合わせて活用することで、より一層生徒の理解度を上げることができる。

5 【総合的な学習の時間】1人1台端末とOffice365を活用した情報共有により可能となるペーパーレスの発表会

 与えられたテーマに沿って調べた内容をWordでレポートにまとめ、Office365のTeamsに提出している。教師が事前に印刷しなくても、生徒はお互いのレポートをそれぞれの端末で見たいサイズで閲覧することができ、ペーパーレスで発表会を行うことができる。これにより教師の印刷の手間を省き、教材研究の時間をより多く確保することができる。

6 【帰りの会】タブレットドリルを活用した、下校前の10分間学習

 東京書籍のタブレットドリルを活用し、下校間際に10分間学習を行っている。タブレットドリルは小単元ごとのプリントが電子化されたもので、手書き入力とキーボード入力のどちらにも対応しており、自動採点機能も備わっている。また、レベル別のプリントやわかりやすい解説動画も用意されており、一人ひとりに合った学習が行える。

B 生徒会活動や部活動での活用


7 【生徒会】Zoomを活用したオンラインでの全校集会

 コロナ対策で全校生徒が一堂に会することができないという問題を、Zoomを活用することで解決している。各学級ごとにつないだZoomの画面を大型テレビに映して実施している。Zoomを活用することで双方向での通信ができ、各クラスからの発言を全校に配信することもできる。

8 【部活動】Formsを活用した保護者からの欠席連絡

 まだ試験的ではあるが、ある部活動で保護者からの休日の欠席連絡を、Office365のFormsを活用して行っている。これにより、対外試合の際など、校外に出ている顧問に欠席の連絡が取れない問題を解決することができる。顧問はスマートフォンで欠席連絡が来ていることを確認できる。

C  教員研修や校務でのICTの活用


9 【教員研修】Zoomを活用した学校間での教員研修

 近隣の小学校や中学校など、学校間での教員同士の研修にZoomを活用している。お互いに出張に出られない場合でも動画を活用した授業研修を行うことができ、教師の学びを止めない工夫をしている。

10 【校務】校務支援システムを活用した校務負担の軽減

 教員間の連絡事項はスズキ教育ソフトの校務支援システムのコミュニケーションツールを活用して情報共有している。朝の職員間の連絡の時間を減らしたり、市内の教員間で個人メッセージの交換をしたりすることで、連絡をとりやすくしいる。また、生徒の出席確認の記録や、生徒指導の情報共有、成績処理や通知表の印刷など様々な場面で仕事の効率化が図られている。


【まとめ】

 磐梨中学校では、「ICTは文房具」を合言葉に、常に挑戦していく姿勢で取り組まれていました。年度当初、新しい取組として1人1台端末の導入や授業等での活用を始めたときは、取り掛かりが難しいと感じる先生方もおられたようですが、現在では便利に使われています。今年の磐梨中学校のテーマは「挑戦!磐梨Happy Schoolの実現」ということで、ICT活用についてもこの目標達成に向けて生徒と教師がともに挑戦している様子が伺えました。

 

 

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