【GIGA取材】真庭市立河内小学校での1人1台端末の活用状況を取材しました

真庭市立河内小学校での1人1台端末の活用状況を取材しました


【概要】
 1人1台端末が整備され、授業等で活用が始まりました。すべての学年で活用が進んでいますが、今回は特に1年生の取組を中心に取材しました。
 活用していたICT環境は、①1人1台端末(Chromebook)②教師用端末(Windowsタブレット)③Google Workspace for Education Fundamentals(Classroom、Jamboard、スライド)④eライブラリ ⑤デジタル教科書 ⑥NHK for School ⑦スズキ教育ソフト キーボー島


【教育の情報化の推進に関する活用のポイント】

A 取組の様子


1 地域の人材を活用。初回ログインに支援の力

・低学年、特に1年生の初めは、1人1台端末が導入されても学習で使える状態になるまでにかなり時間を要する。河内小学校では、地域ボランティアの方に、1年生の初回ログインの支援をしていただいた。最初は、ログインに地域の方々の支援が必要だった児童も、回数を追うごとに慣れていき、自分でログインできるようになった。

2 カメラ機能を活用しながら、端末の使い方を知る

・端末の使い方に慣れる初期段階として、「カメラ」機能を用いることが多い。写真を撮ることで端末の使い方にも慣れ、保存の仕方など後の活動にも活かすことができた。

・1年生の図画工作科で自分の作品を写真に撮り、提出BOXへ提出したり、生活科では、植物や野菜などをじっくり観察したりしている。

・成長の様子等を記録したり、自分の作品を蓄積したりすることで、振り返りにも有効である。

3 効果を見据えたスライドの活用

・1年生の生活科では、スライドを使用し、3学期の発表会に向けて準備を進めている。スライドは個人作成で、最初は教師が枠を配り、自分や野菜の名前を手書きで入力した。次の段階として、写真を貼って野菜の成長を残したり、観察の記録を書いたりした。指での手書き入力のため、文字を正確に認識できずうまく変換ができなかったり、字の大きさが直せなかったりすることもあったが、友だち同士で協力しながら作成を進めている。成長記録としてのまとめでもあるが、相手を意識した発表、大きな声で堂々と発表するためのツールとして、スライドの活用を計画している。

4 Jamboardの活用

・1年生の国語科「ものの名前」の授業で、ことばを付箋に書き、Jamboardに貼り付けてことばのまとまりについて学習した。付箋に書き込むことで全員が意欲的に参加できた。また、友だちの答えを瞬時に見ることができ、考えるヒントになった。自由に動かすことができるので、まとまりを分類するのに有効であった。 

5 他学年の取組

 ・2年生の生活科では、図書館見学に行く際に予め質問を考え、出た質問をJamboardにまとめた。3年生は「自分通信」をスライド使って作成し、4年生は作ったリーフレットにコメントを貼り付けるなどの活用をしている。また、地域にある施設へ出向くことができなかった際には、「Meet」を使用して、施設利用者の方との交流を行った。

B 学習環境・校内研修・校務の情報化


6 端末は登校後、児童が各自で用意し保管

・中・高学年の教室前に保管庫を設置している。低学年は登校後、端末を取りに上がり、教室へ持ち帰る。教室では、出し入れしやすいケースで保管している。中・高学年も、ロッカーの上で保管し、いつでも使える環境を整備している。各学年の実態に合わせた工夫をしている。

7 校内や持ち帰りのルール

・校内や持ち帰りのルールを定め、保護者へ参観日等を利用して周知した。持ち帰りの際には市のルールに則り、持ち帰りの申請書を提出してもらい、管理している。

・持ち帰りをした後に、「タブレット端末の持ち帰りに関する実態調査」を行い、保護者の意識を確認しながら、今後の方針の参考にしている。

8 推進プランの作成

・各学年でそれぞれ使用するツールは学習のねらいに応じて選択している。

・校内で「Chromebook推進プラン」を定め、活用に取り組んでいる。各学年で付けたい力が明記されており、表で確認しながら学習を進めることができる。このことにより、ICT活用が系統的に進められ、計画を立てやすい。


【まとめ】

 河内小学校では、どの学年も端末を活用した学習実践が進められており、校内研修等にも有効に使い、情報を共有しながら前向きに取り組まれている姿がうかがえました。「Chromebook推進プラン」や年間計画などもこの1年をかけて見直し、修正や加筆を加えていくなど、次年度を見据えた取組が行われていました。 

 

 

 - 小学校 国語, 生活, 図画工作 校内研修