養殖漁業の工夫と努力を学ぼう!
動画の内容
天然と養殖
海産物には、自然の環境で育った「天然」の魚と、人の手で育てられた「養殖」の魚があります。養殖業がさかんな備前市日生の特産物「牡蠣」が、どのように養殖されているのか見てみましょう。
牡蠣の養殖(1年目)
まず、春~夏に「盤通し(ばんとおし)」を行います。ホタテ貝の殻に針金を通して、牡蠣を育てるためのベッドを作ります。夏になり、卵からかえった牡蠣の赤ちゃんが海を漂い始めると、「盤通し」を海に落とし、牡蠣の赤ちゃんがホタテ貝の殻に付くのを待ちます。この間に、寄生虫のフジツボなどが付かないよう、殻を1~2時間天日干しにして掃除します。秋~冬、牡蠣の赤ちゃんがホタテ貝の殻に付いたら、「抑制棚(よくせいだな)」で春まで寝かせます。牡蠣の赤ちゃんが、潮の満ち引きで時々海面から出るように吊るすことで、大きくなりすぎず環境の変化に強くなります。
牡蠣の養殖(2年目)
再び春になると「垂下連(すいかれん)」を行います。少し成長した牡蠣の赤ちゃんを長いロープに付けて吊り下げ、養殖イカダの上から様子を確認しながら冬まで海で大きくします。
牡蠣の収穫期は11~3月です。クレーンで巻き上げて水揚げし、手作業で殻から身を外して、出荷します。
豊かな海が育てる日生の牡蠣
通常の牡蠣は成長に2~3年かかりますが、日生の牡蠣は1年で成長します。その理由は、日生の島の木々などから流れ出る栄養分によって、海が栄養満点だからです。牡蠣のエサとなる植物プランクトンは、海の栄養分を食べて増えるため、それを牡蠣が食べて成長します。豊かで波も穏やかな日生の海ですが、台風などが来ると、養殖イカダが壊れたり牡蠣が落ちたりするため、天気予報には常に注意が必要です。
動画に関連する本
「生きものと働きたい! 4 畜産・水産」(学研)
「科学がひらくスマート農業・漁業 4 魚をそだてる海の牧場」小泉 光久/著(大月書店)
「 のりができるまで」(ひさかたチャイルド)