真っ暗な坑道跡で黄ニラ栽培!?

動画の内容

■植物の発芽と成長
植物の発芽には、水・適当な温度・空気が必要です。そして、成長するには、さらに日光と肥料が必要です。

■黄ニラ
岡山県の名産品である黄ニラは、寒い時期には、ちょっと変わった栽培方法で育てられています。
美咲町の柵原鉱山の跡地。かつて硫化鉄鋼を採掘していた坑道の跡です。この場所を利用して10人の生産者が黄ニラを栽培しています。

■真っ暗な坑道跡での黄ニラ栽培
植物の成長には日光が必要なはずですが、暗くても黄ニラが育つのでしょうか。黄ニラ栽培の手順を見てみましょう。まずは、2,3年、青ニラを育てます。青ニラをじっくり育てて、根にしっかり栄養を蓄えさせることが重要です。株が大きく育ったら、掘り出して、葉を株元で切りそろえます。根に蓄えた栄養で、もう一度成長できるのです。
そして、真っ暗な坑道跡に運び込みます。黄ニラの葉はやわらかいので、倒れないように、周りを波状の板で覆います。わずかな光でもニラが変色してしまうのでヘッドライトの灯りだけをたよりに作業します。日光の当たらない場所においてだいたい2週間で、
黄ニラとして収穫できます。

■坑道跡で栽培する良さ
寒い時期に、この坑道跡を使います。坑道の中は、年間を通して温度が18度、湿度が80パーセントあるので、黄ニラ栽培には適しているのです。

■成長の条件
成長に必要な栄養が根にあることを利用して、日光がなくても成長できる条件を満たすことで、黄ニラを栽培しているのです。

動画に関連する本

「飼育・栽培」(学研プラス)
「土がなくても野菜が育つ」 日本養液栽培研究会/編(誠文堂新光社)
「おいしく安心な食と農業 [5]  土・環境・未来」小泉 光久/制作・文(文研出版)

動画に関連する「柵原ふれあい鉱山公園 柵原鉱山資料館」について

柵原鉱山は、かつて東洋一の硫化鉄鉱山として栄え、硫化鉄鉱の採掘が盛んでした。1991年に閉山し、現在は、坑道農業やトレーニング施設「ハイポキマイン・走路・やなはら」として利用されています。
また、柵原ふれあい鉱山公園は、旧片上鉄道の吉ケ原駅と操車場があった広大な敷地内に作られており、 吉ケ原駅舎が現存し、運送用貨車や客車車両11両が保存されています。
その園内に 柵原鉱山資料館はあり、かつての鉱山町の街並みを実物大のセットで再現した「鉱山町のにぎわいコーナー」や、採鉱現場や鉱山内部の様子を再現した「採掘最前線コーナー」などがあり、当時の様子や鉱山の歴史について学ぶことができます。

【基本情報】
・住所: 〒708-1523 久米郡美咲町吉ヶ原394-2
・営業時間: 9:00~17:00(受付は16:30まで)
・休館日: 月曜日(祝祭日の場合は翌日)、12月28日~1月4日
・電話番号: 0868-62-7155
・入館料: 大人(高校生以上)…520円 ※団体(15名以上)の場合、410円
小人(小学生以上)…310円 ※団体(15名以上)の場合、250円