受け継がれる刀匠の技 名刀・備前長船

動画の内容

岡山県東部に位置する瀬戸内市長船。この地は山陽道と吉井川が交わる流通の拠点として栄え、鎌倉時代になると福岡の市が立ち大いににぎわいを見せました。刀の原料となる砂鉄なども北の中国山地からもたらされ長船派や福岡一文字派などによって多くの良質な刀が生み出されました。戦国時代になると宇喜多直家による福岡の商人の岡山城下への強制移住や吉井川の度重なる洪水被害などの要因が重なり、この地の繁栄に陰りが見えてきます。明治時代になると政府から廃刀令が発布され、武器としての役目を終え、美術工芸品として珍重されるようになります。現在では備前長船刀剣博物館が整備され、古来より続く伝統の技と刀剣文化の継承のための取組も行われています。日本刀を専門展示する博物館の他、鍛刀場では、刀匠が作刀作業を行う他、研師(とぎし)、白銀師(しろがねし)、刀身彫刻(とうしんちょうこく)の匠が刀剣工房で作品作りに励んでいます。かつてこの地に繁栄をもたらした吉井川の流れのように備前長船の刀匠の技は脈々と受け継がれているのです。

動画に関連する本

「備前おさふね刀剣博物館」 備前長船刀剣博物館 (備前長船刀剣博物館)

動画に登場する「備前長船刀剣博物館」について

鎌倉時代中期、備前国福岡の地で活動していた刀工集団「福岡一文字派」は、数多くの名刀を生み出してきました。中でも屈指の名刀として知られるのが、国宝「太刀 無銘一文字(山鳥毛)」です。豪壮な太刀姿と華やかな刃文が特徴的で、製作当初の鎌倉時代の姿をよく残している貴重な作例と言えます。また、この太刀は、戦国時代の名将「上杉謙信・景勝」親子の愛刀としても有名です。令和2年3月22日より、国宝「太刀 無銘一文字(山鳥毛)」は瀬戸内市の所有となりました。現在では、備前長船刀剣博物館で年1回程度の展示公開等を行なっています。​古くから続く「刀剣の産地」として、そして名刀「山鳥毛」のふるさととして、この太刀の歴史と輝きを後世まで守り伝えていきます。

【基本情報】

・住所:〒701-4271 瀬戸内市長船町長船966番地

・電話番号:0869-66-7767

・開館時間:午前9時から午後5時(入場:午後4時30分まで)

・開館日:毎週月曜日(休日の場合は翌平日に振り替え)

・休館日:祝日の翌日(土曜日・日曜日は除く)、年末年始(12月28日~1月4日)

・ホームページアドレス:備前長船刀剣博物館 – 瀬戸内市公式ホームページ (setouchi.lg.jp)