江戸時代の塩づくり~岡山の塩田王、その技のひみつ~
動画の内容
岡山と塩田
食卓に欠かせない塩。昔、日本では海水を沸かして水分を乾かし、塩をつくっていました。塩を作る広い施設を「塩田」といって、瀬戸内地方各地に塩田はたくさんありました。その一つが岡山県南部にある倉敷市児島です。ここにはかつて、広大な塩田が広がっていました。
野﨑武左衛門
塩田開発には、江戸時代に塩づくりで財を成し、塩田王とまで呼ばれた野﨑武左衛門が大きく関わっています。野﨑家のお屋敷は、現在、野崎家塩業記念館として一般にも公開されており、展示室には、塩づくりに関する資料がたくさん展示されています。
塩田での塩づくりの方法
岡山県の天気の特徴は、晴れの日が多いことです。それに加え、多く潮の満ち引きの差が大きい瀬戸内海があります。そこに目をつけた野﨑武左衛門の選んだ塩づくりの方法が「入浜式塩田法」です。潮の満ち引きの差を利用して塩田に海水を引き込むと、海水は砂と砂の隙間を上って表面に染み出してきます。これが太陽で乾かされると塩の結晶が砂にくっつきます。この砂をかき集めて海水を注ぐと、塩分がとても濃い塩水ができ、これを釜で煮詰めると塩ができあがります。
塩づくりの苦労
「まぐわ」という器具を使って塩田の砂を掻き起こす浜引きや、「柄振(えぶり)」という器具を使って、塩のついた砂を集める砂寄せはとても大変な作業でした。作業する人は1日に約24kmも歩いていたと言われています。
動画に関連する本
・学習漫画 岡山の歴史 10 新しい産業/片山全子/シナリオ(山陽新聞社)
・元野崎浜風土記/角田 直一/著(竜王会館)
・昔のお仕事大図鑑/小泉 和子/監修(日本図書センター)
動画に登場する「野﨑家塩業歴史館」について
国指定重要文化財である旧野﨑家住宅は、江戸時代後期に大規模な塩田を開き、塩づくりで財を成した野﨑武左衛門が建てた民家です。広大な敷地内には主屋を中心に6棟もの土蔵群や茶室、庭園などが保存されています。野崎家塩業歴史館では、野﨑家の歴史や功績、当時塩作りに使用していた道具や、塩田製塩の様子などが展示され、敷地内には塩づくりが体験できる施設もあります。
【基本情報】
- 住所:〒711-0913 岡山県倉敷市児島味野1-11-19
- 電話番号:086-472-2001
- 営業時間:9:00~16:30(17:00閉門)
- 休館日:月曜日(祝日であれば、その翌日)、年末年始(12月25日~1月1日)
- 問い合わせ先:086-472-2001(野﨑家塩業歴史館)
- 料金:大人(高校生以上) 500円(400円)
小中学生 300円(240円)
幼 児 無 料 (無料 )
※( )は30人以上の団体※小中学生・高校生は、毎週土曜日、日曜日、祝日は無料です。
※小中学生・高校生が授業の一環として利用される場合は無料です。
※学校団体の引率教員の方々は無料です。
※団体でお越しの節は事前にご予約下さい。 - 特記事項:国重要文化財 旧野﨑家住宅
岡山県指定史跡 野﨑家旧宅


