参勤交代は金食い虫?~大原宿と矢掛本陣~
動画の内容
参勤交代
江戸幕府は、武家諸法度というきまりを作り、全国の大名を取り締まりました。その中には、「大名は、毎年4月に参勤交代すること。」とあり、これを制度として整えたのは3代将軍徳川家光です。参勤交代とは、大名が行列を組んで領地と江戸の間を行き来することです。大名は、多くの場合、将軍に対して服従の態度を表すために、1年おきに江戸の屋敷に住まわされました。自動車や電車のなかったこの時代、全国各地の大名が江戸へ向かうのは大変でした。
宿場町
参勤交代によって、江戸と各地を結ぶ主要道路、街道が整備されたり、宿場町が栄えたりしました。街道には、参勤交代の行列だけでなく旅人や荷物や手紙を運ぶ飛脚が行き来しました。岡山県は、山陽道や因幡街道が通っており、江戸時代に宿場町として栄えた町が今も残っています。
大原宿
美作市にある因幡街道の大原宿。鳥取藩主が参勤交代の途中で泊まっていました。記録によると鳥取藩の行列は700人です。身分の低い家臣は旅籠屋(はたごや)や寺に、重臣たちは脇本陣と呼ばれる豪華な宿に、大名は本陣という格式の高い建物に泊まりました。
矢掛本陣
矢掛町にある山陽道の矢掛宿。かつて本陣として利用された建物が残っています。大名が泊まったり休憩したりしたのは他の部屋より一段高く作られた上段の間です。違い棚や付書院、欄間のデザインなど、材料は当時最高のものを使用し格式の高い造りになっています。矢掛宿には今の鹿児島県にあった薩摩藩島津家も泊まっていて江戸まで50日、現在の価値で5億円の費用がかかったと記録されています。
動画に関連する本
「旅からわかる江戸時代 1 参勤交代で大移動!武士の旅」 著 深光 富士男 (河出書房新社)
「テーマで調べるクローズアップ!日本の歴史 6 参勤交代」 (ポプラ社)
「レキタン! 1 徳川家光と参勤交代 」 まんが てしろぎ たかし(小学館)
動画に登場する「大原宿」について
播磨国と因幡国を結ぶ因幡街道は、古くから交通の要路として栄え、「大原本陣」は因幡街道を往復する鳥取藩主が参勤交代の途中、宿泊する場所でした。本陣を中心に、今なお宿場の景観を守っている「大原宿」は、岡山県の『町並み保存地区』に指定されています。
【基本情報】
- 住所:〒707-0412 岡山県美作市古町
- 電話番号:0868-78-3111
- 問い合わせ先:0868-78-3111 (美作市 大原総合支所)
- 特記事項:本陣の御成門を開放見学することができます。(建物内部は見学できません)
※5人以上の団体で、一週間前までの予約が必要
動画に登場する「矢掛本陣」について
本陣は、参勤交代で江戸を行き来する大名や公家、幕府役人など身分が高い人の宿泊の場として利用されていました。矢掛町にある石井家住宅は、豪華な本陣の様子を当時の姿のまま見ることができます。また、当時の通行の様子が分かる資料も残っています。
【基本情報】
- 住所:〒714-1201 岡山県小田郡矢掛町矢掛3079
- 電話番号:0866-82-2700
- 営業時間:3月~10月 9:00~17:00(入館は16:30まで)
11月~2月 9:00~16:00(入館は15:30まで) - 休館日:月曜日 ※月曜日が祝祭日の場合はその翌日
- 問い合わせ先:0866-82-2110 (やかげ郷土美術館)
- 料金:大人(高以上) 500円(400円)
小人(小中生) 300円(200円)
※( )は20人以上の団体