砂防と防災~町を守る砂防ダム(堤防)のヒミツにせまる~
動画の内容
山荒れによる土砂災害
花こう岩でできた山は崩れやすく、大雨や地震が原因で「土砂災害」が発生します。昔は木を伐採して燃料に使っていたため山が荒れており、大雨が降ると多くの土砂が山から流れ出て、大きな被害をもたらしていました。
宇野圓三郎の砂防工事
福田村(現在の備前市福田)の名主・宇野圓三郎も、村の土砂災害に悩まされ、自分のお金を割いて、いろいろな防災工事を成功させました。その後、現在の岡山市や総社市で起きた大洪水を機に、防災アイデア(「治水建言書(ちすいけんげんしょ)」)を知事(県令・高崎五六)に提出し、提案は県議会にて全会一致で採用されました。提案後、圓三郎は県職員に採用され、73歳で退職するまで土木技術や山を守る重要性を人々に熱心に教えました。
熊沢蕃山とのつながり
圓三郎は、提出した防災アイデアが、熊沢蕃山のアイデアと同じだと教えてもらったことで、蕃山の書物(「大學或問(だいがくわくもん)」や「集義外書(しゅうぎがいしょ)」)を読んで考えを深め、優れた砂防の方法をしっかり勉強して理解しました。
圓三郎が工事した砂防ダム
総社市見延にある「井風呂谷川砂防三号えん堤」は、高さ約12m、堤の長さ約70mを超える石積みの砂防ダムです。美しいアーチ型で、岡山県の近代砂防を代表する遺産とされています。
圓三郎の教訓
「山を緑にし、一度に雨水や土砂が流れでないようにすることを、1日も早く実現しなければならない」という圓三郎の言葉を忘れずに、これからも自然環境を守っていきましょう。井風呂谷川砂防公園の学習ゾーンでは、昔の人々の知恵や工夫を学べます。
動画に関連する本
動画に登場する「井風呂谷川砂防公園」について
【基本情報】
- 施設正式名:井風呂谷川砂防三号堰堤
- 住 所 :総社市見延
- 電話番号 :0866-92-8302(総社市役所 都市計画課)
参考にした書籍
・宇野円三郎「砂防と防災」の動画
・備前玉手箱 宇野圓三郎物語 第二版