川の水による災害を防ぐダムの役割
動画の内容
穏やかな川でも災害が起こる
私たちの生活に豊かな恵みを与えてくれる川ですが、大雨や台風で水量が増えると川の流れが激しくなり、洪水などの災害が起こることがあります。川の水による災害を防ぐためにどんな工夫がされているのか、岡山県で一番大きな高梁川を下流(倉敷市)から上流(新見市)に向かって見てみましょう。
下流:コンクリート護岸と護岸ブロック
川岸にはコンクリートで固めた「コンクリート護岸」があり、流れる水が川岸をけずる「しん食」を防いでいます。また、サイコロ形の「護岸ブロック」の隙間に水が流れ込むことで、水の勢いを弱め、しん食を防ぎます。
中流:砂防ダム
砂防ダムは水の勢いを緩め、土石流(岩や土砂の流れ)を食い止めるために作られています。土砂や石をためて流れを変え、下流の住宅や田畑を守ります。
上流:ダム
岡山県には166基のダムがあり、全国で二番目にダムが多い県です。ダムは降った雨水をたくわえ、一度に大量の水が下流に流れるのを防ぎます。ダムには「洪水調節」機能があり、大雨が降っても、下流の川が安全に流せるだけの水を流して、残りの水をダムにためておくことで、下流の川の安全を守ります。千屋ダム(新見市菅生)は280億リットルの水をためることができる多目的ダムで、水の確保や水力発電も行っています。
油断せず、災害に備えよう
緊急時には、ダムから大量に水を流し、川が一気に増水することがあります。「ダム警報サイレン」が鳴ったら、避難情報に注意しましょう。また、どれだけ対策をしても完全には災害を防げないので、ハザードマップや避難場所を確認し、災害に備えることが重要です。
動画に関連する本
「これからの防災 2 台風・大雨」近藤 誠司/監修(ポプラ社)
「かんたん実験理科のタネ 2 生物・地球」小森 栄治/著(光村教育図書)
「見学しよう工事現場 3 ダム」 溝渕 利明/監修(ほるぷ出版)
動画に登場する「千屋ダム管理事務所」について
高梁川上流に位置する千屋ダムは、洪水調節、既得取水の安定化及び河川環境の保全等、上水道、及び工業用水の確保供給と併せて発電を行う多目的ダムです。
高梁川は、本川下流部は国の直轄事業として、中上流部は岡山県において河川改修が進められていたものの十分とは言えず、昭和9年、20年、47年等の豪雨出水により、沿川各地に甚大な被害をもたらしました。特に千屋ダム下流の新見市街地は、古くから川と共に産業・文化が発達してきた歴史的背景のもとに沿川に民家が密集しており、抜本的な河川改修が困難なため、洪水処理方式として最も効果的なダム建設が求められていました。
また一方では、昭和42年や平成6年の異常渇水を始め、たびたび深刻な水不足に見舞われ、さらには、水島地区・新見地区の都市用水の新規確保の必要性が生じていました。
これらに対応するため、千屋ダムの建設が高梁川総合開発事業の一環として計画され、昭和46年に実施計画調査に着手し、平成10年度に完成しました。
【基本情報】
住所:岡山県新見市菅生7943-8
営業日:土日祝日も利用可能
営業時間:9時~17時00分
問い合わせ先:0867-72-1701
料金:無料
その他:千屋ダム管理事務所1階には、千屋ダムの模型やビデオ上映などの展示スペースがあり、自由に見学ができます。
ダム周辺からの見学は自由です。
・危険な箇所もありますから、十分注意して下さい。
・立ち入り禁止区域には、絶対に立ち入らないで下さい。


