刀鍛冶ってどんな仕事?岡山県出身の人に聞いてみた
動画の内容
刀鍛冶・安藤祐介さん
刀鍛冶は、鉄を打ち伸ばして、日本刀を造る職人です。備前おさふね刀剣の里(備前市)で刀鍛冶として活躍する安藤祐介さんは、岡山市出身で、岡山市立岡北中学校、県立岡山工業高校を卒業後、憧れだった刀鍛冶の父に弟子入りしました。5年間修行を積み、24歳で文化庁の認可をもらい、刀鍛冶になる夢を叶えました。
「備前刀」
瀬戸内市周辺はかつて「備前」と呼ばれ、中国山地の良質な鉄素材や、「たたら製鉄」という技術のおかげで、刀の生産量が日本一でした。織田信長や坂本龍馬も愛用した「備前刀」は、国宝や文化財にも多数指定されています。
日本刀ができるまで
1「折り返し鍛錬」で、純度の高い鉄「玉鋼(たまはがね)」のかたまりを焼いて打ち伸ばす作業を10回以上繰り返し、強い鉄「皮鋼(かわがね)」を造ります。
2「素延べ(すのべ)」で、柔らかい「心鋼(しんがね)」を硬い皮鋼で包んで組み合わせ、棒状に打ち伸ばします。折れず・曲がらず・よく切れる刀を造ります。
3「火造り」で、刀の形を整えます。
4「荒仕上げ」で、砥石(といし)で形を磨きます。
5「土置き」で、粘土と炭の粉などを混ぜた「焼刃土(やきばつち)」を刀に塗ることで、刀の強度を上げ、美しい「刃文(はもん)」を生み出す準備をします。
6「焼き入れ」で、刀を熱して急激に冷やし、刀の硬さと反りを生み出します。温度計を使わず、炎と熱せられた刀の色を見て温度を判断します。
最後に、「研ぎ師」が刀を磨き上げて、日本刀の完成です。
鉄は熱いうちに打て
刀鍛冶は、鎌倉時代から変わらない伝統技術を守り受け継ぐ仕事です。最後までやりぬく気持ち、常に目標を持ち挑戦する気持ち、そして体力と筋力が必要です。
動画に関連する本
「お仕事ナビ 23 伝統工芸に関わる仕事」お仕事ナビ編集室/[編](理論社)
「 企業内職人図鑑 4 伝統工芸品」 こどもくらぶ/編(同友館)
「キャリア教育に活きる!仕事ファイル 13 伝統文化の仕事」 小峰書店編集部/編著(小峰書店)
動画に登場する「備前長船刀剣博物館」について
鎌倉時代中期、備前国福岡の地で活動していた刀工集団「福岡一文字派」は、数多くの名刀を生み出してきました。中でも屈指の名刀として知られるのが、国宝「太刀 無銘一文字(山鳥毛)」です。豪壮な太刀姿と華やかな刃文が特徴的で、製作当初の鎌倉時代の姿をよく残している貴重な作例と言えます。また、この太刀は、戦国時代の名将「上杉謙信・景勝」親子の愛刀としても有名です。令和2年3月22日より、国宝「太刀 無銘一文字(山鳥毛)」は瀬戸内市の所有となりました。現在では、備前長船刀剣博物館で年1回程度の展示公開等を行なっています。古くから続く「刀剣の産地」として、そして名刀「山鳥毛」のふるさととして、この太刀の歴史と輝きを後世まで守り伝えていきます。
【基本情報】
・住所:〒701-4271 瀬戸内市長船町長船966番地
・電話番号:0869-66-7767
・開館時間:午前9時から午後5時(入場:午後4時30分まで)
・開館日:毎週月曜日(休日の場合は翌平日に振り替え)
・休館日:祝日の翌日(土曜日・日曜日は除く)、年末年始(12月28日~1月4日)
・ホームページアドレス:備前長船刀剣博物館 – 瀬戸内市公式ホームページ (setouchi.lg.jp)


