おかやまICT活用実践事例集

【GIGA取材】岡山県立岡山芳泉高等学校でのGIGAスクール構想推進への取組を取材しました

 

岡山県立岡山芳泉高等学校でのGIGAスクール構想推進への取組を取材しました


【概要】
 一昨年度から岡山芳泉高校では情報企画課(各年次3名程度)を中心に、授業内外を問わずICT活用を進めてきています。1人1台端末となる新入生の入学を来年度に控え、様々な準備が進められていて、授業については、特に実技系科目での利用が盛んで、今まで時間がかかっていた内容が簡便に行われています。また、授業外では遠隔での講演は頻繁に行われ、コロナ禍での2度目の文化祭では端末をうまく活用し、生徒自身が盛り上げる方法を積極的に考え行動しています。さらに、臨時休校の可能性に備えて、全授業で生徒との連絡が取れるようにClassroomを活用して準備を進めています。
 ICT環境:生徒用端末(iPad)約80台 AppleTV 単焦点プロジェクター Googleworkspace など  


【教育の情報化の推進に関する活用のポイント】

A 実技を伴う科目(芸術)における活用


1  音楽では、演奏テストをClassroomに動画で提出し、すきま時間に評価が可能になり、生み出された時間が直接指導にあてられるようになった。

 三線の演奏テストを行う際に、演奏を各自で録画させ、Classroomに課題として提出させている。教師は提出された動画を見て、成績をつけ、本人にも通知する。
 以前は、音楽室で1人ずつ演奏を聞いてその場で採点していたが、端末を活用することで、職員室で作業したり何度も見返したりでき、採点精度が非常に上がる。また評価の根拠も残り、生徒にとっても自身のポートフォリオとなる。          

とにかく時間の余裕が生まれた!

2 美術では、作品の相互評価をFormsで行い、作品のポートフォリオが可能になった。また、コツの説明動画を共有して、自分のペースで制作が可能になった。

 完成した作品の写真をiPadで撮影し、授業ごとのClassroomで共有している。さらに、採点用のFormsで生徒同士が相互採点を行い、コメントもつけている。Spreadsheetに一覧で表示されることで、見やすくもなる。
 以前は、作品に生徒同士で付箋をつける形で相互採点とコメントをしており、その場限りになることが多かったが、コメントが残る方が生徒のモチベーションを上げることにつながると考えて、この形とした。
 また、自画像制作では、描画の進め方のコツ動画をClassroomで共有したところ、生徒たちは自分が確認したい箇所を確認しながら、スマホで自撮りした自身の顔を見て、制作を進めていた。
 以前は、鏡で見ながら描いていたが、表情をキープすることが難しく、描き方を一斉指導しても、一度では伝わりきらなかった。特に筆遣いをスローで見られることが、生徒には嬉しい様子だった。

撮影は慣れたもので1分で完了
情報教室で一斉に相互採点
コツ動画を共有する
「編集せず、簡単に。」が長続きのコツ
自撮り画像を見ながらペンタブで

3 書道では俯瞰映像を繰り返し見ることが可能になった。

 書道室の天井に、端末を乗せて撮影できるように、穴が開いた段ボールを張り付けた。生徒が各自で自分たちの描いている様子を撮影し、どう見えているかを振り返ることができる。
 以前は教員が見た姿をその場で伝えるか、ビデオカメラで撮影してTVで見る、というスタイルだったが、端末が普及してから非常に簡単になった。今では文化祭などでの映像編集も自分たちで軽々と行っている。

脚立で上り下りして操作する

B 広がる反転学習スタイル


4 様々な教科で反転学習へのチャレンジが広がっている。

 授業前に、自分たちで教科書を読み、短い解説動画を見て、小テストに臨み、回答をFormsで入力、提出した上で授業に臨む。授業では教科書の内容説明はせず、正答率の低い問題のポイントから解説を始めたり、「どのように自分たちが取り組んだか」、「どこがわからないのか」をディスカッションするAL(アクティブラーニング)型スタイルで授業を展開したりする教科が増えてきている。
 生徒にとっては「他のみんなはどのように考えているのか?」が分かり、教師にとっては、「生徒がどこでつまづいているのか?」が可視化される。最初の1~2時間は端末の操作に慣れるための時間が必要だが、授業スタイルがフォーマット化されると効率的に授業を進めることができる。

正答率を瞬時に表示できる
机間指導に十分時間がとれる
ホワイトボードで思考を整理する
チョークでの手荒れも少なくなった

C 学校行事などでの利活用と休校への備え


5 文化祭・卒業生と語る会・土曜講座の講演会などを、ZoomやMeetでつなぐのは、もはや当たり前になりつつある。

 文化祭は残念ながら学校関係者のみでの開催となった。1、2年生のクラス発表は動画を制作し、生徒が編集し、生徒会(文化祭実行委員会)のClassroomに提出した。当日は生徒が動画を鑑賞して、各自の端末からFormを使用して採点を行った。
 以前は成績集計を紙で行っていたが、端末を使うと一瞬で終わり、効率が良い。「1人1回以上投票してしまうのでは?」のような不安も当初はあったが、設定次第で解消でき、現在は生徒も慣れているので、戸惑うこともない。
 卒業生や大学の先生方との交流はZoomやMeetを使い、比較的頻繁に遠隔での講演会などが行われている。中には、自分からアクセスして、進路の相談や質問をするなどして、関係性を深めている生徒も出てきている。

本部は会議室に
教室と遠隔でつなぐ

6  感染拡大による急な休校や学級閉鎖等、生徒が通学できない状況を想定して準備している。

 全ての授業において、Classroomの開設と生徒の参加を確認した。生徒からすると、自分か受けている全ての授業ごとに、Classroomが存在し、Web上で教師から連絡が可能な状況にある。もし、何らかの事情で登校できない状況になった場合、時間割は変えず、すべてがオンラインに移行する。

SHRで一斉に確認済み

【まとめ】

 本年度は力を蓄える一年として位置付けられており、次年度からのスムーズな機器導入に向けて、全教職員が知識と経験を積もうと意識しています。授業の質の向上と、効率化を目指すため、できることを増やし、精選し、より学びやすく、より働きやすい学校を目指しているという印象を受けました。

 

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