おかやまICT活用実践事例集

【GIGA取材】真庭市立中和小学校でのGIGAスクール環境の整備と活用の様子を取材しました

GIGAスクール環境の整備と活用の様子を取材しました


【概要】
 真庭市北部の蒜山地区に位置する真庭市立中和(ちゅうか)小学校は地区内でモリアオガエルが生息するなど自然豊かな地にあります。中和神社と隣接しており、神社の境内と運動場が兼ねられています。 
 中和神社は、樹高45m、樹齢400年以上とも言われている「ほこ杉」で知られ、JAXAの惑星探査機「はやぶさ」のプロジェクトチームも参拝しています。毎年秋には祭りが開催されており、地域活動の拠点の一つとなっています。
 豊かな自然と地域との関わりを活かし、「中和いきいき学習」(総合的な学習の時間・生活科)を中心に様々な特徴的な学習に取り組んでいます。
 GIGAスクール環境の整備とともに1人1台端末の活用も始まっています。これまでの学習を活かしながら進めるICT活用の様子を取材させていただきました。

【ICT環境】  ①1人1台端末(Chromebook)②ドリル教材(eライブラリ)③小学生向けキーボード練習サイト「キーボー島アドベンチャー」③プログラミング教材(コードモンキー)


【教育の情報化の推進に関する活用のポイント】

A 児童の1人1台端末の活用


1 全校児童の1人1台端末の持ち帰りによる家庭学習の実施

・毎週末を中心に、全校での1人1台端末の持ち帰りを実施している。授業でも活用しているeライブラリ(ドリルアプリ)を家庭での宿題にしており、各自の進度に合わせて取り組んでいる。

・端末の持ち帰り用に、端末ケースと充電器(usb-cケーブル)を学校で用意している。

・保護者の理解や協力もあり、全児童が家庭でもWi-Fiが使える環境が整っている。

・端末使用開始時に、学校や家庭での活用のルールをまとめたものを配付している。

持ち帰りのセット(端末、ケース、充電器)
利用のルールを文書で確認

2 タイピングの指導等、活用に関するスキルの指導

・児童の1人1台端末が導入されて活用が始まると、タイピングに関するスキルの差が大きいことが分かり指導を始めた。

・3~6年生は、小学生向けキーボード練習サイト「キーボー島アドベンチャー」を利用した練習を継続している。ローマ字表を使って確認するなど、入力に苦手意識がある児童もいるが、少しずつ上達している。

・1、2年生は、当初はパスワードの入力に苦労していたが、何度か経験するうちにスムーズに入力できるようになった。

・タイピングによる入力だけにこだわるのではなく、必要に応じて音声入力も活用している。

・まだ端末を導入したばかりだが、今後は各学年の発達段階を考慮したタイピング等、活用スキルに関する系統的な指導が必要だと考えている。

タイピングの練習の様子

B 遠隔技術を活用した学習


3 中和の自然から学ぶ(3、4年生 中和いきいき新聞社)

・3,4年生は、中和いきいき学習で、中和いきいき新聞記者として自然と人との関わりについて学んでいる。

・東京とWeb会議システム(Zoom)を使って専門家の先生の出前授業を継続的に受けている。児童は、自然も人間の暮らしもありがとうの関係でつながっているということを学んだ。

・実際に川の調査に何度も行き、わかったことをまとめ、発表した。貴重な水生昆虫や魚にも出会うことができ、生き物と自然のつながりから人間の暮らしを考える機会となった。

・探究的な学習の流れの中で、児童は好奇心を高め、主体的に学習を進めることができている。

東京からオンラインで出前授業

4 専門家によるバイオリンの体験

・5,6年生は、Web会議システム(Zoom)を使って、県内の大学の先生から、バイオリンの指導を受け、音楽の楽しさを学んでいる。

・道具も全員分そろっており、画面越しでの指導も、少人数の良さを活かし、一人一人詳しく様子を見ながら丁寧に指導を受けることができている。

・遠隔の技術の活用は、場所や距離の制約を、ある程度解消することができ、今まで出来なかった学習を計画することができ、児童の経験を増やすことにつながっている。

オンラインでのバイオリン体験

5 岡山市の学校との学校間交流

・岡山市立小串小学校と学校間交流を行っている。お互いの学校を行き来して、山の学校である中和小と海の学校である小串小のそれぞれの特徴を活かした学びの交流が行われている。

・コロナ禍となり、対面での交流の実施が難しくなったため、Web会議システム(Zoom)を使った交流に切り替えるなど、状況に対応して交流方法を工夫している。より交流の効果を上げるためのICT活用となっている。

小串小との学校間交流の様子

C プログラミング教育


6 プログラミング教材「コードモンキー」の活用

・5、6年生では、プログラミング教育の一環として、Webで利用できるプログラミング教材「コードモンキー」を活用している。

・プログラミングの学習の目的は、プログラミング的思考を育むことである。コードモンキーは、スモールステップで新たな課題が提示され、自分で進め方に気付けるようになっている。プログラムの入力方法や答えの出し方が、一つではないことも、問題解決の練習として応用力の育成につながっている。家庭でも取り組むことができる。

プログラミング教材「コードモンキー」
https://codemonkey.jp/

【まとめ】

 GIGAスクール構想の推進は全国の学校で進められています。児童用端末を中心にICT環境はどの学校も同じように整備されました。タイピングや情報モラルの指導の必要性等、活用に関する基本的な事柄は共通する部分も多くあります。
 しかし、各学校が抱えている課題や地域性、それまでの取組は様々であり、GIGAスクール環境をどう取り入れ効果的に活用していくかは、各校の独自性や工夫が必要です。
 中和小学校には、豊かな自然の中で地域との交流を重ねながら学んでいる児童の姿がありました。児童は学びを振り返り、学習の連続性や地域との関わりを強く実感していることと思います。
 GIGAスクール構想はまだまだ始まったばかりです。ICT活用の充実でにより、現在進められている学習がさらに活性化されていく大きな可能性を感じました。

川の調査でありがとうのつながりを体験

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