実践:地元高校生がサポート 小学校第5学年 総合的な学習の時間「ロボホンをプログラミング」
参加者:里庄町立里庄東小学校第5学年児童50名
実践日:平成30年12月5日(水)参加者:里庄町立里庄東小学校第5学年児童50名
授業者:古蔵 聖徳 教諭、亀津 貴広 教諭(里庄町立里庄東小学校)
協 力:岡山県立笠岡工業高等学校 電子機械科 生徒10名
活用したICT RoBoHoN(以下ロボホン)/ ノートPC / プロジェクタ
活用したアプリ Scratch(ロボホン仕様)
ScratchはMITメディアラボのLifelongKindergartenグループによって開発されたものです。詳しくはhttp://scratch.mit.eduをご参照下さい。
ポイント
・小学校におけるプログラミング教育必修化を踏まえた、プログラミング体験の実施
・学習活動の充実と授業者の負担軽減をねらい、地元高等学校による人的サポート体制づくり
指導の流れ
学習課題:グループで知恵をしぼってプログラミングに挑戦し、ロボホンを意図した通りに動作させよう。
● …小学生の活動、○ …高校生の活動
導 入
○ 高校生の自己紹介。
● 身近にある「プログラミングされているもの」を想起させる。
● 担任の先生がプログラミングしたロボホンのデモンストレーションを行い、興味関心を高めるとともに、ロボホンはどんなことができるかを知る。
展 開
● 「プログラミングされているロボホン」を使う体験。
○ グループに高校生1名ずつがサポートに入る。授業展開に合わせて、ロボホンとパソコンの接続やScratchの基本操作、機器トラブルなどに迅速に対応。
● 「ロボホンをプログラミングする」体験 ―基本操作-
● 「ロボホンをプログラミングする」体験 ―なぞなぞ―
児童がプログラムを修正したり、よりよいプログラムに改善したりする場面では、すぐに正解を教えることはせず、適切なヒントを与えて児童たちが自力解決できるように促した。また、児童への励ましや称賛の声掛けが効果的で、授業は終始よい雰囲気で進んだ。
● 「つかれたときに笑顔や元気をくれるロボホン」をテーマに、学んだことをいかしながらプログラミングする。
● グループごとに発表
児童が考えたプログラム(例)
「おつかれさま!」としゃべりながら、おじぎをする→「元気がでるように贈り物を贈るよ」としゃべる→「○○(歌)を歌う」→「○○(踊り)を踊る}→「エイ!」としゃべりながら、逆立ちをする→「元気が出たかな?」としゃべる→「はい」が聞こえるまでまつ→「よかったね!」としゃべる
ま と め
● 振り返りをする。
児童の感想 :「高校生が優しく分かりやすく教えてくれて、うれしかった。」「ロボホンが思い通りに動いて、すごく楽しかった。もっとやってみたい。」
授業者の感想:「児童が楽しくプログラミング体験をしている様子がとても印象的だった。高校生がそれぞれのグループをサポートしてくれたので、安心して授業の進行ができた。」
高校生の感想:「小学生が真剣にプログラミングしたり、楽しく発表し合ったりする様子を見て、うれしくなった。サポートできるか不安だったが、少しでも役に立ててよかった。」
生徒の活躍を見守った高校の先生の感想:「いつもとは違う生徒の表情がとても新鮮だった。高校生にとっても大変よい機会だった。」
外部人材によるサポート体制づくり、企業・団体や地域との連携
外部人材によるサポート体制づくりは、新小学校学習指導要領解説総則編で示された「情報活用能力の育成や情報手段の活用を進める上では、地域の人々や民間企業等と連携し協力を得ることが特に有効であり、プログラミング教育等の実施を支援するため官民が連携した支援体制が構築されるなどしていることから、これらも活用して学校外の人的・物的資源の適切かつ効果的な活用に配慮することも必要である。」を受け、計画しているもの。
プログラミング教育の手引(第二版)では、「プログラミング教育の充実を図る上で、企業・団体や地域等と積極的に連携し協力を得る(外部の人的・物的資源を活用する)ことは有効です。(中略)地域住民のボランティアや近くの高等学校の生徒等がメンター(指導者、助言者)となる例もあるなど、協力をいただく人についても様々に考えられます。」と示されている。
本実践の様子からも、高校生がサポートに入りきめ細かい支援を行ったことで、小学生にとっては初めてのプログラミング体験でも円滑に授業が進み、「自分達の意図した通りのプログラムを作ることができた。」と大変満足度が高い様子が伺えた。また、小学校の教員にとっても安心感をもって授業を進めることができ、ゆとりをもって児童に関わることができていた。